待降節第4主日A イザヤ710-14 ローマ11-7 マタイ118-24    22-12-18

 わたしは神様を信じている。だから、苦しい時、悲しい時に救ってもらいたい。時々思います。ウクライナの事を思うと、余計そんな事を思います。発電所が壊される。発電所を目がけてミサイルが飛んで来る。ますます寒くなる冬に電気が止まってしまう。何十万の人たちが苦しむ。神様、救ってくれないのですか。

 

神様は言われます。神様が救う。その前にあなたがたが救い手を差し伸べなさい。あなたの思い描く神様は、あなたの道具として働く力ではないですか。それはまことの神様ではないと思います。祈りこんで神様につながる、祈りこんで神様に求める。

わたしたちが神様に求める前に、不安だけれど、悪いことをなくすためにやって見よう、悪いことを避けるためにもう少し我慢してみよう、忍耐してみよう、まず自分でやってみたいのです。

わたしたちには出来ない事がたくさんあります。

光男君は神父になりました。もう光男君じゃなくて、光男神父さんだね。光男神父さんは泳げません。昔、小学校に水泳プールがありました。学校の試験で10m泳ぎました。息をつながないで、必死に泳ぎました。神父さんは思います。わたしは水泳が出来ない。だから光男神父さんはあまり水に入らないのです。しかし、夏に教会学校に行ったら、水に入るかも知れない。少しでも泳げなくてはいけない。プールに行き懸命に頑張りました。やっと、100メートル泳げるようになったのです。出来ないところに入って行きなさいと言われるのです。出来ないと言って、近づかないのはよくない。その中に入って行くのです。

 

道夫君は吃りです。高校生になってもあまり外に出て遊びません。図書館に行く。映画を見に行く。誰とも話さなくていい、そんな場所に行くのです。勉強をします。皆は知らないけれど歌は好きです。歌だと吃らないのです。高校生の時、お前が級長になれよ、と選挙で決まりました。いやです、どうしてもいやです。その頃、授業が始まる前に、起立,礼、着席と号令をかけるのです。毎日、号令をかける。皆の選挙に「冷やかし」の思いがあったのだと思います。いやな事が目の前にある。それをはばかっていつも遠いところにいた。

お前がみんなの前で恥をかくのだ。それを知らされたのです。しかし、他人に願いました。

道夫君は神父になりました。道夫神父さんです。ミサをたてる。ミサの典礼を唱えなければなりません。どうしようか。ミサを歌い始めました。あの神父さんはミサを歌うよと話されました。違うよ、話せないから歌っているんだ。説教があります。毎日曜日、説教をしなければなりません。皆が言います。話が速くて聞き取れない。何を言っているのか分からない。 神様は言われます。そんなに足りないのはお前だ。自分を見つめろ。逃げるな。

逃げる事は出来ない。説教を印刷しました。聖堂に置きます。

聖書勉強会に来てくれればいい。 吃りの神父はどうしようもないところにいるのです。

神様は言われます。それがお前だ。自分を見つめろ。全部が目の前にある。

 

ヨセフにはマリアという許嫁がいます。よい子だよ。明るく、いつも笑顔の子だよ。祈りを大切にする子。両親の言いつけをよく聞く子だよ。

でもある日、ヨセフの父さん、母さんが、「マリアは身ごもった」と聞いたのです。

マリアは言うのです。わたしは天使に出会いました。天使が言ったのです。天の父のみ心によってマリア、あなたは身ごもりますと。ヨセフの父さん母さんはヨセフに言います。わたしたちには分からないことが起こったのだよ。 ヨセフは正しい人です。正しいとは律法を大切に生きる、家庭を大切にする、仲間を大切にする、祈りを大切にする人。物腰が柔らかく、物静かに歩く人だと思います。ヨセフは、マリアは過ちを犯したのではないと信じます。

しかし、それは世の中には通じない。これが公になったら、マリアは石うちの刑になり、命を取られる。静かに、黙って別れよう。マリアはマリアの信仰のうちに生きればいい。わたしはわたしの信仰のうちに歩く。

神様はヨセフをどん底に落としたのです。ここから逃れるには何を頼りますか。人には頼れない。誰にも無言で通り過ぎなければならない。神様に頼ることも出来ない。これは神様からの出来事なのです。ヨセフは自分の部屋、自分の暗闇の部屋に閉じ込められたのです。

 

主の天使が言われた。マリアを妻として迎え入れなさい。マリアは聖霊によって身ごもったのです。男の子を生む。その子をイエスと名付けなさい。この出来事によって主のみ心が実現します。「見よ、乙女が身ごもって男の子を生む。その名をインマヌエルと名付けなさい。」

ヨセフは眠りから覚めると主の天使が命じられたとおり、妻を迎え入れた。

 

ヨセフ様、これからの苦労を思います。主のみ心が行われますように。